北枕

2月15日はお釈迦様がお亡くなりになった日です。この日は涅槃会( ねはんえ )が開催されます。 お釈迦様を偲び、多くの寺院で 「 涅槃図 」 を掛けて法要が行われます。「 涅槃図 」 とは、お釈迦様の入滅( 死亡 )の情景をあらわした図です。80歳の時、体調を崩された後も布教の旅を続けておられましたが、ついには弟子に床の準備をお願いされます。

沙羅双樹の木の間、頭を北の方角へ向け、心臓のある左半身を上にし、西方浄土の方を見る姿で入滅されました。このお姿を 「 図北面西右脇臥 」( ずほくめんさいうきょうが )と言います。

その姿に習い、仏教では亡くなった方は北枕にすることが定着しています。お釈迦様と同じ姿勢をとることで、極楽浄土へ往けますようにという思いからでしょう。故人様の安置は 「 図北面西右脇臥 」 のお姿から、北枕が無理な場合には、お顔が向かれた西枕でも大丈夫です。また、宗派や寺院によって違いはありますが、御本尊に向かってお頭を右向きにご安置することが葬儀では一般的です。

亡くなった方を北枕にすることで、北枕で寝るのは縁起が悪いと勘違いされる方もありますが、決してそうではありません。体調の悪いお釈迦様が北に頭を向けられたのは、磁場が体に良いからとも言われます。地球の磁力は南から北に流れていますので、血行促進の効果もあるとか。また、風水では運気が上がる方角のようです。お疲れの方は一度試してみてはいかがでしょうか。