神式の葬儀

以前、参列機会の少ないキリスト教の葬儀についてご案内いたしましたが、神式の葬儀への参列を経験された方も、少ないのではないでしょうか。

神式の通夜・葬儀も、仏式の様式とは大きく違います。

まず、のし袋の表書きですが、仏式では「御香典」「御仏前」「御霊前」などになりますが、神式では「御玉串料」「御榊料」と書きます。

服装は仏式と同様で大丈夫ですが、数珠の準備は必要ありません。式の間は合掌をすることもありませんし、焼香もありません。焼香にあたるのが、キリスト教では『献花』、神式では『玉串奉奠』です。しめ縄についている稲妻のような形をした紙片、『紙垂(シデ)』の付いた榊を玉串と言いますが、これを手向けて拝礼します。

通夜でも、葬儀(葬場祭)でも、焼香と同じように、案内に従って祭壇前へ進み行います。

① 玉串を受け取ります。右手が根元側、左手が葉先側になるように、両手で受け取ります。
② 左手は下から支えたまま、右手は、根元を覆い被せる形に持ち方を変え、玉串案(台)の前へ進みます。
③ 一礼します。
④ 左手を根元側に、右手を葉先側に持ち替え、時計回りに回転させ、根元が神前に向くようにして捧げます。
⑤ 正面を向いたまま『二礼二拍手一礼』をします。深い礼を二回、そして二拍手は、音を立てず「忍び手」で行い、最後に深い礼を一回です。

まれに「二礼四拍手一礼」や「三礼三拍手一礼」などの場合もありますが、作法の案内が会場であると思います。

初詣などで神社へお参りされたときは、普通に音をたてた柏手で『二礼二拍手一礼』をしておられることと思います。音を立てない忍び手で行うということだけ注意されれば、難しくはありません。緊張なさらず、故人を忍ぶ気持ちを忘れずに参列されることをお願いいたします。