四天王寺の日想観

2022.09

秋分の日を中心に、前後 3日をあわせた 7日間が秋の「お彼岸」です。
本来はお寺に参って先祖供養のお参りをしていたようですが、現在はご先祖様に感謝の気持ちを込め、家族そろってお墓参りをしたり、おはぎを御供えしたりする形が多いのではないでしょうか。
大阪市天王寺区四天王寺にある「四天王寺」は、彼岸会(ひがんえ)を始めたお寺とも言われています。聖徳太子が建立された寺院であり、宗派にこだわらない、和宗の総本山です。

この四天王寺の西門石鳥居は、古来より極楽の東門にあたるとされ、彼岸の中日(秋分の日)には西門と石鳥居を結んだ直線上に夕日が沈みます。沈んでゆく夕日を拝み、極楽浄土を観想する「日想観」の法要が行われています。現在でも多くの人でにぎわっていますが、一昔前には視界を遮る建物もなく、海に沈む夕日はまさに西方浄土を想わせ、極楽往生を願う人々が集い、お念仏を唱えていたようです。また、夕陽をうける西門は、まるで極楽の光に照らされているようで見応えがあるようです。一度はお参りしてみたいものです。

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、一気に朝夕涼しくなる頃、体調も崩しがちになります。四季がわかり難くなったと言われるここ数年ですが、節目はやはり感じるものですね。 皆様ご自愛ください。